2018.10.31
派遣法・労働関係法
皆さん、こんにちは!
派遣・請負コンサルティング
株式会社人材ビジネス経営研究所の山内 栄人です。
今日はヘビーですよ。
反響も多めかな。
この後10時配信のメルマガも同様のネタですが、
こちらの方が少し厚めに。研究会メンバーには
突っ込んだ事も書いてますが、それは差を付けないとね。
さて、ここ1週間程Facebookにて騒いでいるネタ。
知っている人は知っている、Q&A問題です。
発端はこれ。
(派遣で働く皆様へ)平成27年9月30日施行の改正労働者派遣法に関するQ&A
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000111089_00001.html
概ね、ウンウンと読み進める事が可能ですが、
Q4で???となりました。
全文を転載します。
///////////////////////////////以下転載//////////////////////////////////////////
Q4: 雇用安定措置の一つである「派遣先への直接雇用の依頼」を派遣会社に実施してもらったのですが、派遣先からは、派遣会社に職業紹介手数料を支払うことができないので直接雇用できない、と言われています。この場合、派遣先は派遣会社に対し、職業紹介手数料を支払わなければならないのでしょうか。
A4:「派遣先への直接雇用の依頼」は、職業安定法上の職業紹介ではないので、派遣先は同法上の職業紹介の手数料を支払う義務はありません。
また、派遣先は、正当な理由なく、派遣先と派遣労働者の間の雇用契約を実質的に制限するような金銭については、支払う義務はありません。
「派遣先への直接雇用の依頼」は、派遣会社が労働者派遣法に基づき講じなければならない雇用安定措置の一つであり、派遣労働者の雇用の安定を確保し、派遣先での直接雇用に結びつけることを目的としたものです。これは、職業安定法上の職業紹介ではないので、派遣先は同法上の職業紹介の手数料を支払う義務はありません。
また、派遣会社と派遣先との間で金銭の授受があることにより、「派遣先への直接雇用の依頼」が不調に終わることは、雇用安定措置の趣旨に反するおそれがあり、問題があります。
なお、「派遣先への直接雇用の依頼」に際して、派遣会社と派遣先との間で金銭の授受があることなどにより、派遣先と派遣労働者の間の雇用契約を実質的に制限することとなれば、実質的に労働者派遣法第33条第2項に違反することにもなり得ます。
//////////////////////////////以上転載//////////////////////////////////////////
派遣法をそこそこご理解頂いている方は直ぐにわかると思いますが、
新法より追加された「紛争防止措置」に関する言及がまったく無い上、
「派遣先は同法上の職業紹介の手数料を支払う義務はありません。」
と明確に書かれています。
また、
「派遣先と派遣労働者の間の雇用契約を実質的に制限することとなれば、
実質的に労働者派遣法第33条第2項に違反」
とまで書かれています。
マジかよ!!
という事で先週より厚生労働省にコレマジ?と問い合わせ。
平行線の議論の上 「折り返しします」→3日経過 反応無いので
こちらから電話 → 結局平行線 → 「折り返します」で
→3日経過 反応無いので こちらから電話 → 結局平行線・・・
イラーときて、ややキツめに言うと保留されて15分放置(苦笑
あまりにも保留が長いので、スピーカーで待ち。それでも暇なので
Facebookに晒す・・・(苦笑
結局本日夕方までに折り返し → 夕方に折り返しがあり 着地。
<<結論>>
1、派遣法の趣旨から言えば、直接雇用を希望する派遣社員と派遣先の間に
派遣元が入って成立を阻止することは妥当ではない。
2、紛争防止措置に明確な合意がなされ、それを実行することは違法ではない。
3、紛争防止措置には民事上の契約は成立しており、派遣先はそれを履行する責任はある。
4、厚生労働省としては民事上の是非を決める事はできない。
ま、こんな感じです。
<<山内の所管>>
旧法の時代にもこの問題は沢山でました。
入って直ぐの派遣社員を社員に欲しいと言われる。
正直、採用コストも非常に高騰しており、紹介フィーを頂ければ喜んで
と言うと「何でそんなの支払わなきゃいけない!」と言われ、
「労働局に聞いたら支払う必要ないと言われたぞ!」と。
こうなれば、仕方なく、ビジネスなんて関係なく言いなりです。
喜びたくても大赤字で喜べる会社なんて無いですよね。
これを繰り返すと倒産ですから。。。
場合によっては、「そのスタッフは辞めました」と言って
別の派遣先に連れていく派遣元なんてのもあると聞きました。。。
誰も得しないお話・・・
そんなこんなで、誰も泣かないように「紛争防止措置」を決めましょうよ。と。
派遣元から派遣先に雇用が移る際は「紹介フィーを20万円支払う事」とか
「想定年収の20%支払う事」などを取り決め、事前に派遣元と派遣先で合意し、
かつ、派遣労働者にも派遣先とこういう合意をしているのを知っていてね と明示し
やろうよ!! と。
そうすれば、その条件を見ても直接雇用したい会社はそれですればいいし、
派遣元も気持ちよく直接雇用を推奨できる ってものです。
この度、厚生労働省より 「そんなのかんけーねー」と
梯子外されました。
こんな内容をブログやFacebook、講演でもするとお伝えしています。
派遣元としては、気持ちよく直接雇用への移行を推奨していく事を
全面に私もやってきましたが、企業経営の目的はゴーイングコンサーン。
継続あっての事業です。倒産前提の話はあり得ません。
今回の厚生労働省のQ&Aにより、派遣元は方針を変えざるを得ないでしょう。
ほんと、誰得なんですか?これ?
こんなことを揉めないために「紛争防止措置」を導入したんじゃないんですか?
はぁ。。。と
ため息しかでません。
厚生労働省には
Q&Aに一言でも良いから、「紛争防止措置には民事上の責任があります」等でも
入れて下さいと懇願しましたが、厳しいようですね。
ま、文句言っていても前に進まないので、
現行法、お上の現状の解釈をベースに一人でもハッピーに働ける社会を実現すべく
私は全力を尽くす所存です。
まだまだ書き足りないけど、
そこは研究会で。
今日も最後までお読み頂き
ありがとうございます。